
今回は、年次有給休暇の話です。
会社員として働く皆さん、年5日間以上の年次有給休暇を取っていますか?
2019年4月1日から働き方改革の一環として、5日間の取得義務が法定化されています。
本人はもちろん、所属長はマネージャーとして部下の取得日数を常に把握しておくことが大切です。
僕が以前勤めていた菓子メーカーでの話しですが、
有給休暇は一定期間勤続した労働者に与えられた正当な権利であるのにも関わらず、
体調不良で休んだ日に使う制度という風潮がありました。
今、思うとブラック企業だったのかもしれません。
有給休暇制度の誕生から確立までの歴史
ところで有給休暇制度はいつ、どのように生まれたと思いますか?
実は19世紀のフランスにおいてこの制度の原型が存在していました。
もっとも当時は上層ブルジョア階級といった、特定の人にのみ与えられる特別な権利でした。
しかし、1929年の世界大恐慌による経済危機が、フランスに大きな社会不安をもたらします。
当時の左翼政権下で、200万人もの労働者がその権利の拡大を要求した結果、
全産業の労働者を対象にして年14日の年休が法定化されました。
これにフランス国鉄の『有給休暇切符』の後押しがあり、
施行年の翌年には、年休は一気にフランス国民に浸透していきました。
※『有給休暇切符』は、通常の運賃の4割引きで国鉄を利用できるというもの。
このようなフランス国内での社会情勢の機運の高まりを受けて、
1936年ILO(国連国際労働機関)においても年休に関する条約が採択されるに至りました。
フランスと日本の年次有給休暇
ちなみに2018年現在、フランスの年休付与日数は年30日です。
そして驚くべきは、取得率が100%ということです。
一方、日本においては、1930年代後半までに年休制度のようなものが個別的に適用されていました。
法律として整備されたのは、
第二世界大戦後の1947年に制定された労働基準法で初めて法制化されました。
日本は現在、付与日数20日と諸外国より低く、
取得率に至っては50%(10日)と他国と比べ断トツに低いのが特徴です。
なぜか?
ある学者は、フランス人は自ら勝ち取った権利、日本人は与えられた権利、
という歴史的背景を要因に挙げています。
日本人も労働者の権利拡大を訴えて、勝ち取ったという歴史的な背景があれば
もう少し取得率は高かったのかもしれませんね。
日本人は、年休の取得に「罪悪感」を感じる人の割合が58%と調査対象国で断トツの1位です。
ちなみに、フランス人は25%の人が罪悪感を感じているようです。
日本人の有給取得率の低さ
これを読んでいる皆さんは、日本人の有給取得率のなぜ低いと思いますか。
多くの人が以下どれかではないでしょうか。
- 人手が足りず、休めない
- 他の人が休んでいなく、休めない
- そもそも有給休暇を取得する文化がない
僕は現在、医療機関で働いていますが、
特に看護師さんは、シフト勤務で働いている上、
あまり他の人が休んでおらず、休み辛いという方が多いです。
ちなみに僕は事務ですが、「明日、年休いただきます」と言える環境なので、
昨年は100%年休を取得しました。
それでも時々休み辛い雰囲気を感じることもありますが、、、
他の人への配慮も大切ですが、
これを読んでくれている方の健康も大切です。
何もやることなくても、年休取ってゆっくり過ごす時間を取ってくださいね!